はじめてロンドンにきたときの気持ち 1/2

私がはじめてロンドンにきたときに感じた、今でも思い出す情景や感覚。
自分がロンドンに来るために仕事を休んでいる間、職場でどう思われるかをずっと考えていた。こんな遠くに来ているのに私の意識はまだ職場にあるのだな、そんなに気を遣っているのだな、怯えている自分に気づいてホッと力が抜けた瞬間があった。
初めてロンドンに来たときはトレーニング最終日に帰国して、次の日から仕事に戻る予定だった。今考えると、観光も半日ぐらいして余裕があった気もするけれど、日本に帰ったらその日は普段の1.5倍ほど仕事をしないといけない日程で、絶対予定通り帰らないといけないとものすごく力が入っていた。観光したり、トレーニングに集中しているつもりでもどこか頭の中に仕事を置いてきた罪悪感と、何か職場で問題が起こっていないだろうかと不安があった。
この時も時計を見ては今日本は何時でみんな働いている、とかわざわざ罪悪感を感じたり(認められた休みなので別にそこまで気にする必要はないのだけれど)、この時間は働いていないからホッとするとかで、全然私は今にいなかった。ロンドンにいる今を楽しんでいるつもりで、実際は心の底から楽しんでいなかった。
私は子どもの頃から、自分が実際にいないところで何か悪いことが起こってないだろうか、あれがああなってああなってと、、現実から逃げたくて最悪の想像ばかりする癖があった。
確かこちらにも慣れたけどもうすぐ帰国だという頃、昼間にまた時計を見て今日本は深夜だとホッとしている時に、冒頭のこんな遠くまで来て心配している自分がどれだけ怯えているかを感じて、涙がじわっと溢れて緊張していた体の力が抜けた。その怯えた感覚、背中を丸めて縮こまっていた自分の姿がみえる。
自分が今いる場所でないことに意識を飛ばして、ああでもないこうでもないと考え続ける。自分が不安だから、何も起こっていなくても何か悪いことが起こっていないか外側の心配をしていた。