体の中で何が起こっているのか
自律神経には3つのモードがあり、
安心・リラックス(腹側迷走神経系)
闘争・逃走・活動・興奮(交感神経系)
凍りつき・孤立・閉じこもり(背側迷走神経系)
この3つを通常は行き来している。(ポリヴェーガル理論より)
けれど、前回に書いたような前提や、幼少期のトラウマ、嫌だった体験、たとえば生きるだけで必死だった思い等、ストレスが多いと安心を覚えた経験がない。ずっとこの交感神経系を使ったままでいて、他の2つのモードを使えず、自律神経の行き来がスムーズではない。
外側では隠していてもずっと体の中は緊張し続けていて、交感神経系がずっと優位なままの緊急状態が続いている。この状態は体の神経系からみると、生命の危機くらいの危険や恐怖が迫っている緊急の状態だ。でも本人の意識下ではこの状態が通常運転だと捉えている。マインド面と同じ状態が神経面でも起こっていて、結果、体に力が入りすぎていて自然な状態やリラックスする状態になれない。
ちなみにこの状態で、最も恐れている、責められる、怒られると感じる出来事が起こった場合、トラウマや反応として体に刻まれるのではないかと思う。
最も恐れていることが起こると、ショックで体は凍り付いたように動かず、何も考えられず何とか生き残るために、その場を逃れるための一種仮死状態に陥り、それがトラウマとなると何度も再生される。
おそらく子ども心にとても怖い思い、嫌な思いをした記憶を何とか体に閉じ込め、生き残るために堪えているのだ。
この緊張状態が長く続くと、体にほかの面で不調が現れることも起こってくる。体が弛まないことで内臓や消化器官の不具合、便秘や下痢が起こったり、自律神経系の不調、たとえば睡眠活動、免疫の低下等にも影響する。